こんにちは、コンドウです。
「損して得とれ」・・はじめに損をしても、それをもとにして将来の利益につなげる
有名なことわざで商売や投資のコツなどの例えとしてよく使われますので、多くの人がその意味知っているのではと思います。
とはいえ、日常生活で「損して得取れ」な場面に直面すると「目先の損はやっぱりしたくない!」となってしまう人が多いですよね。
そこで、今回お伝えしたいポイントは
なぜ、将来得することがわかっているのに、はじめの損を受け入れられないのか
についてです。
それは、人間が持つ考え方のクセや認知バイアスと言われる(自分の過去の経験、思い込み、直感などの影響で論理的に筋が通らない判断をする)考えの偏りが客観的・合理的な判断の邪魔をするからです。
認知バイアスとは・・については、こちらの記事で説明しています。
いつも自分は客観的に冷静に物事を判断できていると自信がある人ほど、意外と自分のことがわかっていません。
だからこそ、自分が持つ考え方のクセや考えの偏りの存在を理解しておくことで、行動できない悩みの大幅な解消につながるんです!
損失回避性(損失回避の法則)
損失回避性(損失回避の法則)という言葉を聞いたことがありますか?
損失回避性とは、多くの人にとって得をする喜びよりも損をする悲しみの方が大きく感じる
という特徴のことです。
例えば
〇〇ショップの期間限定ポイント:1,000円分があと3日で失効してしまう
→もったいないので6,000円の服を購入、5,000円で買えて得した!
とその瞬間は大満足でも、後から湧き出てくる心の声・・・
「この服は本当に欲しかったもの?それともポイント失効が惜しくて買ってしまったもの?」
の答えは、服に袖を通して外出してみたときに初めてわかることかもしれません。
もっと身近なところでは
- 食べ放題で元を取ろうとしてお腹をこわす。
- 入会金が惜しくて通いもしないジムの月謝を払い続ける。
- 物が捨てられなさ過ぎて気づいたらトランクルームを借りていた。
と文字でみると理解に苦しむ判断ばかりですが、誰もが似たような経験をしたことが絶対にあると思います。
この「得よりも損を避けたがる感情」はお金の損得にだけ働くわけではなく、当然ながらこれから投資する労力や割かれる時間などに対しても、影響を与えます。
損失回避性を行動できない人の感情に当てはめると
どの例も、損だと感じるポイントがズレていることや得られるものに気づこうとしていないためメリットを得られる自分をイメージできなくなっているわけです。
うまく行動に移れるようになるためには、
こんな風に心と頭の余裕を持って判断することが大切です。
現在バイアス(現在志向バイアス)
もうひとつお伝えしたいのが、現在バイアス(現在志向バイアス)という考えの偏りについてです。
現在バイアスとは、将来の大きな利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう
という心理傾向です。
イソップ物語「アリとキリギリス」の話が有名ですが、身近な例を挙げると
- 冬休みに入ったらすぐにやり始めようと決意していた宿題を、結局冬休み最終日にやっている。
- 資格の勉強のために動画を見ていたのに、気づいたら趣味の動画に夢中になっている。
- 強く決意してダイエットを始めたはずなのに、唐揚げをすすめられるとついつい食べてしまう。
このように、目先の誘惑や自分の欲望に勝てずに毎回後悔する人は、どこかのタイミングでそんな自分の性格・行動の傾向を客観的に把握する必要があります。
そうやって自己理解が進めばありのままの自分をまっすぐに受け止められるため、どんどん自分に合う対処法を見つけるのが上手になります。
前のめりで勢いに任せた判断は最終的には損をすると意識しておけば、必ず損失の回避につながります。
まとめ
人それぞれに「損」にはいろいろな形や感じ方がありますし、損得を意識するタイミングでの仕事環境、人間関係や社会的立場によっても判断は変わってくると思います。
だからこそ
損失回避性(損失回避の法則)
多くの人にとって得をする喜びよりも損をする悲しみの方が大きく感じる
現在バイアス(現在志向バイアス)
将来の大きな利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう
という人の根源的な考え方のクセ、偏りを知っておくことで、とっさの判断を迫られる出来事が起きたときや重要な決断が必要なときに備えられるわけです。
次に損得や利益の大小を判断しないといけない場面が来たら、ぜひどちらかに偏った直感をググッと水平に戻してみてください。
このひと手間が最適な判断に導いてくれるはずですから!